チョコと焼酎~
st.valentin
次の日、二人とも昼までぐっすり眠ってしまった。
流石に、私は飲みすぎた。
ちょっと、胸焼けしてます。
竜二は、腹減った、とか言いながら鍋の残りで雑炊を作っている。
その後ろ姿に、話し掛けた。
「柴田ってさ、夕べの事、覚えてる?」
竜二は、雑炊を作る手を止めて私を見つめる。
「なんだよ。
オレ、なんかしたか?
まさか、オマエを襲ったとか?」
「まさか!ないない!
ただ、チョコ食べたの、覚えてる?
あれ、お酒入ってて、全部ひとりで食べてたけど。
なんともなかったかなあ、って思って」
「あー、それでか。
やたら眠かったわ」
…覚えてないか。
「アーモンドチョコ食べたのは?」
「香坂の?」
出来上がった雑炊を、茶碗につぎ分けながら考えている。
「オマエのまで食っちまったか?
ワリい。
それで怒ってんの?」
私は、茶碗を受け取ってテーブルに並べた。