チョコと焼酎~
st.valentin
「そんなことで、怒るかよ。
てか、怒ってないし。
でもさ、襲った前科があるの?」
私は、雑炊をフーフー冷ましながら、ニヤリと笑って竜二を見る。
竜二の動きが、完全に止まった。
レンゲに入っている雑炊が、お茶碗に逆戻りしてますけど。
……図星でしょうか?
「オマエは?
酔ってる時、襲われた事ないのか?」
「私?!」
逆に訊かれた。
「ある訳ないじゃん!
どんだけ飲んでも、家に帰り着くまで絶対記憶無くさないのが自慢なんだから!」
話し反らす気か?
「あっ、オマエが襲うのか?」
「バッカじゃないの?
アンタみたいに飢えてないから!」
怒りのあまり、レンゲを振り回したら、雑炊が飛び散った。
「ハイハイ。」
竜二がため息をついて、ティッシュで拭き取る。
「わかってる。
冗談だろ」
ティッシュをゴミ箱にシュートして、私をじっと見た。
「香坂さ、一度眠ったら何があっても起きないだろ?
寝てる間に、なんかされた事ない?」
なんか、って。