チョコと焼酎~   st.valentin



早く帰って、ひとり酒にしよう。


「じゃっ!」


離れようとしたら、竜二に腕を掴まれた。


「急ぐのか?


たまには、メシ付き合えよ」


いいの?


私で、いいのかな?


社交辞令かな?


だとしても、

やっぱり、素直に嬉しい。


私は、竜二に向き合った。


「そ、そうだね。


でも、バイトは?


私は、休みだけど」


「俺も、休み。


どっか行くか?」


行く、って言っても。

あっ、外でふたりはまずくない?


カノジョとかに、見られたら誤解されるよ?

だからって、竜二の部屋じゃもっと誤解されるか。


それに、部屋でカノジョの物とか見たら、ゼッタイ立ち直れない。

お揃いのカップとか、歯ブラシとか。


考えただけで、落ち込む。




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