チョコと焼酎~   st.valentin



竜二が戻ってきて、リビングのドアを閉めた。


私は、咄嗟にコタツに潜り込んだ。



竜二は?



まだ、入口から動く気配がしない。


帰るんだ。


やっぱ、帰るんじゃないの?


心臓が有り得ない速さで暴れる。


………動いた。


こっち来た。


コタツに、入った?


「香坂。


起きろ。


話があるんだけど」


……カノジョの話?


やっぱり、告る前に終るんだ、私。




聞きたくないけど、これじゃこの前と同じだ。



諦めよう。


諦めて、うけいれよう。




私は、起き上がって、うつむいたまま、竜二に向き合った。



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