チョコと焼酎~
st.valentin
竜二が、私を見つめているのを感じる。
ドキドキする。
「お前さ、人の話、ちゃんと聞けよ」
「うっ、ははい」
ひぇ~!
緊張するんだけど。
「俺に、カノジョは、いない」
顔をあげて、竜二を見た。
「えっ?」
なんて?
「何度も言わせるなよ。
俺には、カノジョは、いないんだ」
「ホントに?
でも、あの、バイトの子は?」
「別に、ただのバイト仲間。
俺のこと、信じらんね?」
そんなことないよ。
「ゴメン。
信じない訳じゃないよ。
ただ、柴田が私に気ぃ遣ってんのかと思って。
でも、そうじゃない、ってわかったから。
DVD見る?
それとも、帰る?」
もう、竜二と見つめ合っているのも限界で、目を背けた私は、DVDをスタートさせた。