500年の復讐

牢獄




 寒気がして目を覚ました。ここはどこだろう・・・。
 石積の小さな空間にわたしは藁を編んだ敷物の上に寝ていた。明かりは何も無いはずなのにうっすらと明るい。
 あぁ、石の間から光が入るのか。光がないよりはまだいい。
 私は何でここにいるのだろう?さっきまで・・・・

 脳裏にさっきまでの出来事が過ぎていく。
 
 突然入ってきた黒頭巾の男たち

 突然の拘束

 『あの子』の泣き声

 冷酷な異端審問官

 『あの子』の樽いっぱいの血

 バラバラにされた体

 村人の裏切り―――

 私はどうなってしまうのだろう・・・
 異端なんてしていない。『あの子』と静かに暮らしていた。時々、薬草を使って村人達の怪我や風邪を治していただけなのに・・・。
 ただそれだけだったのに・・・・


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