【短集・ホラー】白紙の小説


『3日前、中学生の男子生徒が刃物で母親の体を切断し、森に埋めたとの情報がありました』

テレビの中、女の人が深刻そうに話している。


『中学生の子供が、ここまで残虐な事件を犯すとは…物騒な世の中ですね』

男の人が言った。



中学生…

僕と、
少ししか変わらない。



その時、お母さんが立ち上がって後ろを振り返った。

マズいと思った時には、もう遅かった。




「黙ってテレビを見るなんて、最低よ。
あなたなんか死んでしまえばいいのに」




そう言って、
僕の頭を壁に何度も
殴りつけた


頭から血が出て、意識が朦朧とした




「私が帰ってくるまで変なこと、しないで頂戴ね」



そう言ってお母さんは、バッグを持って家を出ていった。



血が止まらない。



ドアが閉まり、お母さんが家を離れたのを確認すると、僕は動き出した。



自分の部屋…つまり物置の扉を開ける。


3日前の新聞を探ると、僕は新聞を捲り始めた。



…………あった


"中学生男子生徒
母親を殺害
残虐な事件の真相"



大きな見出しを発見し、僕はそれを読み始めた。



< 4 / 31 >

この作品をシェア

pagetop