お嬢様と執事さん


紹介された橘さんはペコリと頭を下げた


慌てて私も下げようとすると


「お嬢様は使用人に頭を下げなくてもよろしいのですよ」


「でも……」


「どうかおやめください」

「……はい」


止められてしまった


「お嬢様、こちらへ」


橘さんにドレッサーへ座るよう言われ、おずおずと腰を下ろす


「お嬢様はお顔のラインが素敵ですので髪をアップに上げましょう」


「お願いします」


顔のラインだなんて初めて意識されたかも……


「お嬢様は髪がとても綺麗ですね。羨ましいです」


「そんなこと……」


そんなにお世辞でも誉められると照れる


コテで髪をクルクルに巻かれ、ピンやワックスを使ってゆるふわ三つ編みヘアー&コットンレースのダーバンになった


可愛い~♪


「よくお似合いです」


「橘さん、ありがとう♪」

姉さんに見せたら絶賛してくれそう


「お嬢様、朝食のお時間です。参りましょう」


連さんに促され、義兄と姉の待つ食堂へ向かう


やっぱり広いなぁ……






< 16 / 95 >

この作品をシェア

pagetop