お嬢様と執事さん
紹介された橘さんはペコリと頭を下げた
慌てて私も下げようとすると
「お嬢様は使用人に頭を下げなくてもよろしいのですよ」
「でも……」
「どうかおやめください」
「……はい」
止められてしまった
「お嬢様、こちらへ」
橘さんにドレッサーへ座るよう言われ、おずおずと腰を下ろす
「お嬢様はお顔のラインが素敵ですので髪をアップに上げましょう」
「お願いします」
顔のラインだなんて初めて意識されたかも……
「お嬢様は髪がとても綺麗ですね。羨ましいです」
「そんなこと……」
そんなにお世辞でも誉められると照れる
コテで髪をクルクルに巻かれ、ピンやワックスを使ってゆるふわ三つ編みヘアー&コットンレースのダーバンになった
可愛い~♪
「よくお似合いです」
「橘さん、ありがとう♪」
姉さんに見せたら絶賛してくれそう
「お嬢様、朝食のお時間です。参りましょう」
連さんに促され、義兄と姉の待つ食堂へ向かう
やっぱり広いなぁ……