お嬢様と執事さん
「うしっ!そろそろ行動起こさなあかんな」
そう薫が言うと海斗さんが一礼し、どこかに去っていった。
「海斗さんはどこに行くの?」
思わず薫に聞いてみた。
「罠を発動させに行った。」
ニシシといたずらっ子のように笑顔を見せる薫とは裏腹に、私は心配だよ……
「罠?危なくないの?」
「心配せんてええよ。ばっちしだから」
それならいいけど…
「どんな罠なの?」
「ん?お宝を横取りするんや♪それまでゆっくりしとこうや」
横取りって……
蓮さんと顔を見合わせてお互い苦笑いをもらした。