お嬢様と執事さん


そんな成り行きを笑って見守ってる千里先生と紗依ちゃんに近寄った。


「あの、なにがどうなってるんですか?」


「いやぁ…凱たちが見つけたのをすかさず海斗が取り上げたらしいんだよね~」


「うわぁ……」


ホントに横取りしたんだ(呆)


ん?てことは………


「私と薫の勝ち?」


疑問を素直に口にすると、凱くんと未来が口を揃えて


「ち・が・う!!」


と怒鳴られてしまった。


「最初に宝を手にしたのは俺たちなんだぞ?」


「当然未来たちのだもんっ」


薫に猛抗議する二人に対して薫は飄々(ヒョウヒョウ)としていた。


「ルールには横取りしたらあかんなんて言われてないやん?なら自分と遥の勝ちでええやろ♪」



「「う゛」」


そう言い返されると言葉に詰まってしまったのだろう。助けを求めるように千里先生の顔を見た。


「まったく…今回はご褒美なし、ですね。」


どこか苛ついたように言い放った。


「「ええ~っ!」」


三人が一斉に不満を口にした。しかし千里先生は聞く耳をもたなかった。








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