恋スル運命
メガネハンサムさんに気を取られて気付かなかった。



「萌ちゃんお疲れ様!今日は仕事だったんじゃ?」




私の職場は某デパート内にある化粧販売員。




以前は美緒と私の2人だったんだけど新人研修を兼ねて萌花がやって来たのは1年前。




美緒が他のデパートの新規のお店へと異動となってからは私と萌花の2人での勤務体制になっていた。




今日私が休みだったんだから萌花は当然仕事な訳で。
それなのに先を越されるなんて不覚だった。





『遅れちゃいけないと思って急いで来たんです。そしたら早く着きすぎちゃってさっきまで1人で心細かったです〜』





「だったら電話くれたら良かったのに。心細い思いさせてごめんね?」




内心面白くな〜い!って思いながらもニッコリ笑ってセンパイらしい顔を見せて仕方なく空いてる萌花の隣の席へと座る事にした。




私の目の前にある1つの空席。




お皿の上にナプキンが上品に飾られている。




って事はあともう1人来るって事だよね?





< 4 / 161 >

この作品をシェア

pagetop