ハッピー☆ハネムーン

なにもかもが、日本とは違っていて……
ここはやっぱり特別で。


なんだかあたしは、急に胸がぎゅうっと締め付けられるような感覚になった。




「……また来よう。今度は3人で」


「うん。 ……へ?」




何となく答えたその言葉に、あたしは違和感を感じて慶介を見上げた。


3人?
2人じゃなくて……3……


思い返して、あたしの顔はまた真っ赤に燃え上がった。



「……ッ、慶介!!からかわないでよぉ~」


「寂しそうにしたり、青ざめたり赤くなったり。ほんとに葵は忙しいな」



そう言ってまた笑う慶介。


プイっと唇を尖らせて顔を背けるあたしに「ごめんごめん」と慶介は笑った。

もう、慶介ってば。
いつもいつもあたしを子供扱いしてッ!!


……でも。
でもね?

あたし、わかってるんだ。
それは全部愛情だって事。不器用な彼なりの愛し方。

そんな彼のちょっとした仕草でいつも真っ赤になっちゃうあたし。
だから、あたしはいつまでたっても慶介には及ばない。

でも、1つだけ自信持って言えることがあるよ?


―――それは。




それは、慶介が大好きって事っ!




単純だけど、難しい。

伝えたいけど、なかなか伝わらないこの気持ち。

あたしはこれからもあなたに出来るかぎり伝えていきたい。

あたしがどれだけあなたを好きなのかを。




あなたがくれた言葉がなによりもあたしの最高の宝物になったから。












いつか、3人で来よう。


そして、あたし達がどれだけ愛しているのかをあなたに伝えよう。


―――この夢の話と共に。







END.
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