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ガシッ

「っ!?・・・れ、裂君・・・」
だが、それは遮られた。
「秋人・・・どうしたんだよ、お前・・・さっきまで俺の事を止めようとしていたのに・・・」
裂君が僕の腕を掴んで店内に入るのを阻止した。
当然、裂君は僕が心の読める力を持っている事を知らないし、店内でマスターを狙う人間が居る事にも気付いていない。
『変だ・・・秋人、変だ・・・』
腕を掴まれているせいか、裂君の心が少し読める・・・

少し、動揺していて・・・

僕の事を心配してくれている・・・

だけど、僕は・・・



君を・・・―――



「・・・裂君・・・」
「ん?何だ?」
僕は決意した。

今は・・・一刻を争うときだ―――

「お願いがあるんだ・・・」

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