身代わり姫
「本当に? アキナシのお茶を飲んだら、声がでるようになったの?」


「ええ。本当ですともよ」

グラディス王女はふ、と考え込みました。ナイフをことりとテーブルに置き、ゆっくりとパメラに尋ねました。


「ねえ。では、もし私が妖精に出会ったとして、声を奪われたとしても、お茶を飲めば声は戻るのね?」


「ええ、妖精に出会えば」


グラディス王女は真剣に考える仕草をし、気を失っているレオノーラを指差して言いました。


「命令です。明日一番に、その娘を連れて私のところへ来なさい。いいわね?」


「はいよ。かしこまりました」


グラディス王女はむき出しのナイフを鞘にしまい、自分の荒らした家から出ていこうとしました。


「王女よ、王宮まで送りましょうか? 夜道は危ないが」


「結構よ。この先に馬車を待たせてあるから」


グラディス王女は振り返りもせず、つんとした態度で帰っていきました。

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