身代わり姫
でも、その杖を出した威厳ある仕草だけで、お婆さんがあの高名なパメラ様だと理解するには十分でした。


「まあ。私ったら何も知らなくて……。す、すみません」


レオノーラは真っ青になって深々と頭を下げました。
パメラ様と言えば、王様だって尊敬されている偉い賢者様です。知らなかったとはいえ、そんな方を怖いお婆さんだと思ってしまったなんて。

何か粗相はしなかったかしら? 膝に重ねて置いた手がカタカタと震えました。


「おやおや、急にかしこまっちゃって。別にあたしゃ怒ってる訳じゃないんだから、普通におし」


パメラはそう言って、すこし唇の端を上げて笑いました。

レオノーラはその笑顔は分からなかったものの、その声音が少し優しいものになった気がして、おずおずとパメラを窺い見ました。


「あたしゃどうも得体のしれない恐ろしいものに見えるようだね。だけど、別に取って食べやしないよ。物言いが厳しいのも勘弁しておくれ。あたしゃ口が悪いんだ」


「い、いえ、そんな。確かに最初は少し怖かったですけど、それはきっとパメラ様について何一つ知らなかったからなんです」


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