SEASONS



私は入学してすぐに声を掛けてくれた千尋という親友がいる。
中学のときはイマイチ人間というものが信頼できなくて、当たり前に親友だなんて呼べる存在はいなかった。
それでも、毎日は充実してた。
今は、千尋がいるから毎日もっと充実している。

千尋は私と違って、小柄で可愛い感じの女の子。
童顔で、目がくりくりでとても整った顔をしている。
私とは大違いだ。



「私ね、好きな人が出来たよ」


ある日の昼休み。
千尋が急に私に言ってきた。


「そうなんだ。こんな私で良ければ応援するから」

「美優ありがとうね、その人なんだけど…うちのクラスの朝倉くんなんだよね」


朝倉くん…?
んっ?だっ、誰?


「ごめん、私知らないや」

「美優わぁ~クラスの人くらい覚えようよね」

「はーい」

「とりあえず、今日朝倉くんたちと遊ぶんだけど、美優来てね」

「えっ?なんで?」


わっ訳わからないよ


「美優って美人だから、朝倉くんの友達というか、うちのクラスの男子が喋ってみたいんだって」

「私は喋りたくない」

「ダーメ!私の恋愛のためにも協力よろしくね!」



と、千尋は調子良く言ってお弁当を片付ける。
でも、いい機会かもしれない。

私はクラスに馴染めてない所か、クラスの人をわかってない。




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