君と共に


「おはよー」


「あ、おはよー!杏奈」


いやー、朝からあなたの笑顔は眩しいですよ。

鏡を片手に笑顔を向ける紗結に、右手で目元に影を作りながら、あたしは自分の席に着いた。


「紗結、あたしの顔に光が当たってる気がするんだけど、気のせい?」


目、開けてられないんですけど。

今、絶対険しい顔してるよね?


「杏奈、朝からキラキラしてるっ」


「その鏡のせいだからっ!」


「…ん?あぁ!」


わざとらしく驚いたあと、悪戯がばれた子供のような笑顔を向けて、紗結はやっとあたしに向けていた鏡を机に置いてくれた。


「で、あたしになんか言う事は?」


「………は?」


唐突に質問をして、頬杖をつき、小首を傾げる紗結。

今度は、ニヤリ、と効果音でもつきそうな笑顔で。


その笑顔恐いんですけど~。



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