君と共に
3
「おはよー」
「あ、おはよー!杏奈」
いやー、朝からあなたの笑顔は眩しいですよ。
鏡を片手に笑顔を向ける紗結に、右手で目元に影を作りながら、あたしは自分の席に着いた。
「紗結、あたしの顔に光が当たってる気がするんだけど、気のせい?」
目、開けてられないんですけど。
今、絶対険しい顔してるよね?
「杏奈、朝からキラキラしてるっ」
「その鏡のせいだからっ!」
「…ん?あぁ!」
わざとらしく驚いたあと、悪戯がばれた子供のような笑顔を向けて、紗結はやっとあたしに向けていた鏡を机に置いてくれた。
「で、あたしになんか言う事は?」
「………は?」
唐突に質問をして、頬杖をつき、小首を傾げる紗結。
今度は、ニヤリ、と効果音でもつきそうな笑顔で。
その笑顔恐いんですけど~。