からんころん
「…またまた、これ空じゃないですか!」
「うん。人にあげたから」
「え……」
さゆりが傷ついたとしても、晴紀は思わせぶりな態度はとりたくなかった。
「おお~、こうやって見ると2人お似合いだねぇ!」
「千夏!どうしたんだよ?塾の時間だろ!?」
「休んだ。いいでしょ昼間図書館行ったんだから」
「ったく、試験前に気ぃ抜くなよ」
「まだだいぶあるじゃん。そんなことよりぃ、お2人さんデートぉ?」
「食べに来たらこの人がここで働きだしてただけだよ!俺もう帰るからな!」
「待ってお兄ちゃん!」
千夏は晴紀の腕を掴み引き止めた。
「何だよ!?」
「お兄ちゃんグダグダしてたら実果子ちゃんたちに先こされるよ」
「は?何のことだよ?」
「実果子ちゃんと高田くん、さっきそこですれ違ったんだけどいい感じだった~」
「え…?」
「昼間もお兄ちゃんトイレ行ってる間に、なんかくっついちゃっててさぁ。あ~思い出すとこっちが赤くなるっ!」
晴紀は千夏の握り拳を見た。