からんころん
「…ばかばかしい。ばあちゃん、代金ここに置いとくね」
「…もう帰るのかい?」
「またゆっくり来るよ。確かめたいこともあるし…。千夏、おまえも早く帰って勉強しろ。じゃ」
「ちょっ、お兄ちゃん!寒い冬を過ごすことになってもいいのぉ~?…あーあ」
千夏とおばあちゃんは顔を見合わせため息をつく。
晴紀が帰り着くと、誠也はもう帰っていた。
「ごめん!俺ウソ吐いた…」
「いいよもう。けど誠也まで巻き込んで、何考えてんだろうなぁ…?」
晴紀は首をひねくりたくっている。
「危なかったけど、俺は晴さんの味方だから!」
「…サンキュ」
一刻も早くなんとかしないと、実果子や誠也の受験にまで影響を及ぼしかねない、と晴紀は焦り始めた。
翌早朝、晴紀はおばあちゃんの自宅の方に訪れた。
「どうしたんだい?こんな早くに…ふわぁ~…ばあちゃんは朝弱いの知ってるだろうに…」
「ごめん…、でも早く話さないといけないと思って…」