Secret Romance*
「痛っ…」
鋭い痛みが首筋に走る。
多分血が出たかもしれない。
「玉木ちゃんの肌、好きだよ…甘い匂いがする」
「…え?」
「肌だけじゃない、目も…耳も…鼻も…もちろんこの生意気なお口もね…」
顔をあげた新田の細い指が私の唇に触れた。
そして新田は口元をつり上げて笑う。
――――…。
いつからなのか…
嫌で嫌で仕方なかった、支配力のあるその笑みが苦ではなくなったのは…
「玉木ちゃんの一部だったら…髪の毛の一本まで愛してあげるのに…」
「……っ」
頭に痛みを感じて瞳を閉じた。
ブチブチと、何本かの髪が抜ける音がする。
彼は私の髪を鷲掴みにして引き寄せたのだ。
「…そんな想いは…また俺だけなのかな」
「…ま…た?」
言葉を口にすると、更に強く引っ張られる。
「…思い出して…玉木…俺の事」
「……思い出す?」
口にすると頷く新田…
「このままでもいいって思ってたけど…やっぱりそれじゃダメだよ」
「……にっ…」
「思い出してよ」
彼の口調が鋭くなる。
それは懇願でも、希望でも、提案でもない…
―――命令だ。