Secret Romance*
「…お…思い出すって…」
新田と出会ってからの記憶はしっかりある。
忘れもしない入学式の日だ。
職員室に呼び出されて行ってみるとそこには人当たりのいい笑みで笑っている新田がいた。
「入学おめでとう」
整った顔で私を見つめる新田に見とれていると、ふいに声をかけられる。
私と新田の前に立っていた教師の声だった。
「ありがとうございます」
「…ありがとうございます」
ハキハキと話す新田に対して私は少し遅れて呟いた。
「さて君たちを呼び出した理由なんだが…我が校の伝統でね、新入生挨拶は入試が首席だった子に読んでもらう事になっているんだ」
「…はぁ」
「準備はこちらでしてあるから大丈夫だよ。」
教師はニコリと笑う。
新入生挨拶か…面倒臭いな。
不思議と自分が読むような気がした。
自意識過剰でも自惚れでもない。
今までずっとそうだったからだ。
教師に視線を向ける…
しかしあろうことか、教師の視線の先にいたのは私ではなかった。