君とはじめて。〜契約恋愛〜
クスクス笑う奈緒にとって真理子さんは姉的存在。
こうみえて真理子は奈緒に怒るときは怒る。
でもそれが嬉しかった。こうやって世話を焼かれることは苦痛じゃなかった。

「ふふ。そうですよね。あ、でも今年の招待客は史上最強らしいですわ。
ですから、お嬢様お疲れが去年より倍増に…」

「あはは!大丈夫です。娘という立場ですから、疲れることは承知の上ですよ」

奈緒は朝倉グループのご令嬢。父と面会するまでにパーティに行くための身なりを朝から整えておかないといけない。
もちろん、最大イベントでもあるこのパーティは女性はドレス。

髪も化粧も、完璧にしてパーティに参加しなければならないのは奈緒自身の務めでもあるのだ。



「では、お嬢様…」

「はい。準備でしょう?今日は盛大によろしくお願いしますね?」

ほほえで奈緒は真理子さんに向かって言った。

真理子が言った「お疲れが…」には朝から準備するので疲れる、だけではなかった。
朝倉グループのご令嬢、奈緒は数々の有名企業の社長、政治家にあいさつ周りに行かなければならないのだ。

これも娘という立場上だから奈緒は疲れることは承知の上。
また、今年は開催5周年パーティ。盛大に行うことも承知の上だった。


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