君とはじめて。〜契約恋愛〜
アタシ、必要ないじゃん。
周りも見ればいかにもいい感じ、の雰囲気で。
そりゃそうだ。
最初から近寄らないオーラで自ら境界線を張る奈緒に誰も言い寄ろうなんてしない。
わざと不機嫌な顔で、『近づくな、触るな」そんな意地で自分を守ろうとしているのだ。
明らかに分かるように、こんなにも不機嫌で怒度を表す女に関わる男なんていないだろう。
奈緒はそう思っていた。
ポツンと一人の世界に入るが、やはり一人の人間。
…寂しい、そう思う。
だが、自分のプライドと意地が邪魔をするかのよう自分は平気、あと少しいればいい。そんな気持ちで場を乗り越えようとしていた。
ふと時計をみれば、
ーなんだ、まださっき見た時から3分しか経ってないじゃん。
これの繰り返しだった。