君色 **空色**
そう言いながら、私は彼の方を振り返る

エスカレーターの段差のせいで、今の私は彼よりずっと身長が低い状態

見上げてみる彼は、どこを見ているのか違う所を見つめている

何を見ているのかと視線をそちらにずらしてみるけれど、何を見ているのか全く分からない

諦めて私は視線を前に戻しながら、今日の自分は変過ぎて『疲れているのかな?』と考える

そんな疑問を残して、私たちは地下鉄の入口についた

今度こそ、本当にお別れ


「お疲れ」


そう言って彼は笑うと人ごみを抜けていく

その後ろ姿を少し見送ると、私も改札を抜けて人ごみへと入っていった


< 104 / 292 >

この作品をシェア

pagetop