君色 **空色**
最初ドアを確認した瞬間、ある人物と目があった


いきなりビンゴだ……


そこにいたのは、正しく目を見張るような青色

岩崎くんの姿だ

「よっ!」と声をかけながら、私はイヤホンを外して彼に近づいていく

少し考えた末に「チャイ語の覚えた?」と私が彼に尋ねると、「全然。ほんまヤバい」と彼はいつものような笑い顔で答えた

その笑顔に「私もヤバい」と言いながら、私はバックから教科書を取り出た


「俺、最後の2行無理や…」

「最後の2行?あぁ!湖のヤツ?」

「それそれ」


そこから2人して中国語を言い合いながら、私たちは駅にたどり着いた

『本当にあっという間だなぁ』と思いながら、私は1人駅を降りようとする

彼がいつも降りているのはこの次の駅だ

だから「また後で教室でね」と言って、私は1人電車を降りようとする


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