君色 **空色**
「お邪魔しまーす」


誰もいない部屋に向かって私はそう言うと、そろりそろりと室内に入った

入った瞬間に『あぁ、岩崎くんの部屋だ』という事がすぐに分かった

部屋中が岩崎くんだ

人の部屋には独特の匂いがある

これは正しく彼の香りだ


部屋を見渡すと、以外と綺麗に整頓された室内

ふと机の上に置かれたCDに目がつく


「これ……本当に好きなんだなぁ」


机の上に置かれていたCDは、彼が私に教えてくれたアーティストのアルバム

中をパカッと開けると、何故か中身は違うCDだった


「っく、あはは。さすが岩崎くん、おかしいと思ったんだよね~」


性格的にここまで部屋が綺麗だと驚いてしまうと思ったが、大晦日に慌てて掃除したタイプだなと納得してしまった


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