君色 **空色**
「え!?あ、ごめんごめん!!驚きすぎて放心状態に……。すごく綺麗」


彼の言葉に現実世界に引き戻された私は、慌てて彼に感想を述べた


本当に綺麗……


その美しさに顔が自然と笑顔になる


「中入ってみよっか♪」


突然の彼の提案に「え!?それはダメなんじゃ!!?」と驚いて戸惑っていると、彼は「ん?式入ってないから、公開してるって言ってたから大丈夫だよ」と言って、さっさと私の前を進んで行く

その後ろを慌ててついて行くと、扉を開いたそこには綺麗な光の世界が広がっていた

薄暗い中にロウソクの光だけが静かに輝いている

中には誰もいないようで、どうやら貸し切り状態の様子


「きれー」


いつの間にか、後ろを歩いていたはずの私は、彼を抜かしてどんどん中へと進んで行った

ゆっくりとバージンロードを歩いていた私は、途中である事を思いついて、祭壇の方に早足で歩いて行った


< 235 / 292 >

この作品をシェア

pagetop