君色 **空色**
「うん、確かに言った……けどその後にもセリフには続きがあったんだもん」


そう言って、辰にいに言った言葉を私は紡いでいった


「だから辰にいと付き合うなんて、ありえない」


最後に辰にいに言った言葉を、彼をまっすぐ見つめて言うと、彼は小さく「何それ……」と呟いた


「何それって、一世一代の告白よ!!こんなの、本人に向かって言うもんじゃないっての!!」


なんかもう散々だ

何でこんな恥ずかしいセリフを、本人に向かって白状しなくちゃいけないのやら

ってか、酷すぎる!

そこまで私が信じられないですか!?

こんなに好きだって気持ちどうやったら、分かってもらえるのよ!!

泣きたくなりながら、そう考えていると、昨晩佳奈ちゃんに言われた言葉と、先ほど辰にいに言われた言葉を思い出した


『正直に言いたい事言ってみたら良い』


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