紺碧の地図

◆◆◆


闇市場をあとにし、Queen号は出航した。


前回のティナから、大幅に進路がずれたため、物資の運搬に影響が出てしまった。


「…こっちはクリシェルに二週間後!」


「これなんか、ティッツェに六日以内だぜ!?」


次の目的地をどこにするか、船内は大慌ての状態。


これも全部…。


「私のせい…だよね…」


進路をずらした原因の私はというと、何故か食器洗い。


地名とかよくわからないんだよね…


「気にすることないわ。いっつもこんなんだもの」


ニーナが隣で食器を拭きながら、ため息をつく。


人数が多いから、なかなか食器が洗い終わらない。


「できることできないこと、ホイホイ引き受けるからこうなるのよねー…」


口ではそう言いながらも、ニーナの瞳はどこか楽しそうだった。


そんなニーナを見て、私は自然と笑顔になる。



そのとき、私は誰かの視線に気づいた。



< 230 / 545 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop