紺碧の地図
アルザはそこで、ふっと瞳を細めると、
「…まぁ、わたしの偏見なのかもしれないが」
と呟いた。
ゼンは、そんなアルザを見て頭を掻くと、口を開いた。
「…"ラー"でも"ルナ"でも、どっちにしろ貴女の護衛はできない」
そこで、ゼンが私たちへと視線を向ける。
「仲間がいる。それに、やらなきゃいけない仕事がある」
アルザは納得いかない顔で、ゼンの横顔を見ていた。
そして何かを思いついたのか、ぱぁっと瞳を輝かせた。
「そうだ!なら、こうしよう!」
「………は?」
「ゼンたちは、アルフィザに行くのだろう?わたしが案内しようではないか!」
生き生きと話し出すアルザに、ゼンは呆れ顔でため息をついた。
ロイなんか、がっくりとうなだれている。
「…そんなわけには…」
「悪い条件ではないだろう?わたしは船を操縦できるし、国の情報をたくさん持っているぞ?」