紺碧の地図

アルザに何かあったら、私たちの責任になりかねないのに。


ロイにだって、迷惑かけちゃうのに…。



ゼンが短くアルザに何か言うと、私たちの方へ駆け足で近づいて来た。


「…みんな、悪い。王女を預かることになった」


ゼンが横目で、お説教をしているロイと、それを全く聞こうとしていないアルザを捉えた。


「ま、乗りかかった船じゃね?」


悪戯に笑いながら、レキがゼンに近づき、肩をポンと叩く。


「お姫様に好かれちゃって、大変だなー?ゼン」


「…とりあえず、船を乗り換えよう。各自準備を始めてくれ」


「え、無視ですか?」


レキの言葉を無視して、指示を終えたゼンは、またアルザの元へと戻って行った。


そんなゼンの後ろ姿を、レキがつまらなそうに見て、口を尖らせた。


「何だぁ?まんざらでもないのか?あいつ」


「バカなこといつまでも考えてないの」


ニーナはレキにそう言うと、私の手を引いた。



< 245 / 545 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop