紺碧の地図
アルザに何かあったら、私たちの責任になりかねないのに。
ロイにだって、迷惑かけちゃうのに…。
ゼンが短くアルザに何か言うと、私たちの方へ駆け足で近づいて来た。
「…みんな、悪い。王女を預かることになった」
ゼンが横目で、お説教をしているロイと、それを全く聞こうとしていないアルザを捉えた。
「ま、乗りかかった船じゃね?」
悪戯に笑いながら、レキがゼンに近づき、肩をポンと叩く。
「お姫様に好かれちゃって、大変だなー?ゼン」
「…とりあえず、船を乗り換えよう。各自準備を始めてくれ」
「え、無視ですか?」
レキの言葉を無視して、指示を終えたゼンは、またアルザの元へと戻って行った。
そんなゼンの後ろ姿を、レキがつまらなそうに見て、口を尖らせた。
「何だぁ?まんざらでもないのか?あいつ」
「バカなこといつまでも考えてないの」
ニーナはレキにそう言うと、私の手を引いた。