紺碧の地図

◆◆◆


遠くの方で、声がする。


「…ン、……で………だろ?」


「…何……、……」


そのうちのひとつの声が、心地よく耳に届く。


「…ララには?」


「いや、言ってな…あ」


自分の名前が聞こえた途端、しっかりと覚醒した私は、体を起こした。


すぐに視界に飛び込んできた、二人の人物。


「アルザ…ゼン」


何故か二人は、私を見てから、お互いに顔を見合わせた。


私が首を傾げると、アルザがすぐに明るい声を上げた。


「やっと起きたか!随分と眠っていたぞ」


そんな不自然な態度に、まだ状況が飲み込めない私は、ただ眉をひそめるしかなかった。


「私…」


「…倒れたんだよ、暑さにやられて」


お決まりのため息と共に、ゼンが言った。


「あんたには、相当辛い環境だったろうな」


「ゼン…」


そっか…私、あのあと暑さに耐えられずに倒れちゃったんだ。



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