紺碧の地図
どうして、こんなことになったの?
どうして、私たちが死ななきゃならないの?
「現実が、どうしようもなく憎くて。私は、海賊に飛びかかった。…もちろん、敵うはずがなかったんだけど」
突き飛ばされて、床に叩きつけられた。
私目掛けて振り下ろされた剣の切っ先を、すれすれで避けた。
「身体中につけられた傷や痣は、例え治っても…消えることはないの」
目に見えなくても。
心に深く…残ってしまったから。
消えない。
…違う、消せないの。
「―――っ…」
今まで、淡々と語ることが出来たのに。
やっぱり、映像が鮮明に甦ると、耐えられなくなる。
消したいのに、消せない。
忘れたいのに、忘れられない。
私は、過去に縛りつけられてる。
震える私の肩を、レキがそっと抱き寄せてくれた。