紺碧の地図
「…ごめん。辛いこと思い出させて。俺、まじ最低だわ」
はぁ、と大きなため息が横から聞こえたかと思うと、レキの頭が私の頭にごつんとぶつかる。
「いっ、た…」
「つーか、ララちゃんも無理して話さなくていいから」
ぶつけられた頭の部分を、片手で押さえた私に、レキはそう言った。
「…ん。でも…」
「でもじゃない。傷つくの、自分だろ?」
少し怒ったように言われ、私は苦笑いを返した。
レキは私を抱き寄せた腕を離し、栗色の髪を掻き上げた。
「…まぁ、仲間ってのは、そーいう痛みを分け合う為にいるようなもんだけどな」
「仲間…」
「仲間だろ?俺たち」
レキの問いかけに、私は黙ったまま、何度も頷く。
ひとりだった。
あの日からずっと…ひとりだった。
私の隣に誰かがいる。
それだけのことが、本当に嬉しくて。