しょうがい
「早いわね、もう学校終わったの?」

彼女が言った。

「はい。まだ入学したばかりだし、部活にも入ってませんから」

僕は聞くべきこと、つまりなぜ彼女がここにいるのかを知りたかったのだが、条件反射からか、思わず質問に対して返事をしてしまった。

「そうなの」彼女は納得したように言った。「でも、部活は何か入った方がいいと思うわ。あ、気にしないで大地君が嫌なら別にいいのよ」

大地君?

ここで僕はある疑問を抱いた。彼女はなぜ僕の名前を知ってるんだろう。僕は朝、彼女に名前を述べただろうか。

彼女については謎な部分が多く、僕は対処に苦しんだ。悪い人ではないと思うが(あくまで僕の直感だ)あまりにも親身なため、僕はもうこの場から離れたいと感じはじめていた。

「じゃあ、もう帰るんで、失礼します」

やると決めたらすぐに実践。僕はさよならを告げ、彼女から遠ざかった。

最初はゆっくりと、だが徐々にスピードをあげながら、僕はバス亭を跡にする。それはやや急ぎ足。走っているわけではなく、歩いているわけでもない。

僕はそんな調子でしばらく(急ぎ足で)歩き続けた。そしてもう目の前に自分の家が見えるくらいになった時、僕は歩みを止め振り返った。
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