しょうがい
もう一方の、転んだ女性はどうしたのかというと、彼女はまるで漫画に出てくるキャラクターが「メガネ、メガネ」と、落とした眼鏡を探し回るように、地面にはいつくばっていた。どうやら、あちこちに散らばった薬を拾い集めているらしい。
僕はそんな彼女の姿に見兼ね、散らばった薬集めを手伝うべくその場へ歩み寄った。
「ありがとうございます」
その僕の姿を目にした彼女は前髪をかきあげながら、感謝の意を込めて言った。僕は顔を赤らめ、照れ隠しに頭をかいた。
「はい、どうぞ」
僕は拾い集めた全ての薬を彼女の手の中へと戻した。すると彼女は再び「ありがとうございます」と頭を下げ、薬の個数を数えはじめた。僕もその彼女の動作に刺激され、もう一度辺りを見回し薬の拾い落とし、見落としがないか確認した。
「それで全部だと思うよ。どうやら、もう薬は落ちていないようだから」
しかし、彼女はその僕の言葉に頷いたにもかかわらず、手の平に乗った薬を数えるのを止めなかった。しかもその彼女の行動はやけに神経質で、一度数え終わってはまた数え直すというように、何度も反復していた。
彼女は最後にまた「ありがとうございました」と言いながらその場を去り、廊下の向こう側、さっきの少年と逆方向へと消えていった。また、その時になっても彼女は薬を数えるのを止めず、さらには足元を確認しながら歩くという変わった歩き方との併用から、全く前を向いて歩かないという結果になった。
僕はそんな彼女の姿に見兼ね、散らばった薬集めを手伝うべくその場へ歩み寄った。
「ありがとうございます」
その僕の姿を目にした彼女は前髪をかきあげながら、感謝の意を込めて言った。僕は顔を赤らめ、照れ隠しに頭をかいた。
「はい、どうぞ」
僕は拾い集めた全ての薬を彼女の手の中へと戻した。すると彼女は再び「ありがとうございます」と頭を下げ、薬の個数を数えはじめた。僕もその彼女の動作に刺激され、もう一度辺りを見回し薬の拾い落とし、見落としがないか確認した。
「それで全部だと思うよ。どうやら、もう薬は落ちていないようだから」
しかし、彼女はその僕の言葉に頷いたにもかかわらず、手の平に乗った薬を数えるのを止めなかった。しかもその彼女の行動はやけに神経質で、一度数え終わってはまた数え直すというように、何度も反復していた。
彼女は最後にまた「ありがとうございました」と言いながらその場を去り、廊下の向こう側、さっきの少年と逆方向へと消えていった。また、その時になっても彼女は薬を数えるのを止めず、さらには足元を確認しながら歩くという変わった歩き方との併用から、全く前を向いて歩かないという結果になった。