しょうがい
〈変わった人だったなぁ〉
そんな彼女の去り行く姿を心配そうに眺めている僕は、一人になることで、自分の目の前にある大きな問題について再認識しなければならなくなった。それはつまり、「僕はなぜ病院にいるのか」。その答えは言うまでもなく、僕の養母が事故にあったからである。表面上はそのことを忘れていたかのように振る舞っていた僕だが、実際は終始そのことで頭がいっぱいだったのだ。もちろん今だってそう。
僕は大きく深呼吸し、これからとるべき行動について考えた。このままの状態でここに止まるか、もしくは今からでも手術室に向かうか。僕は悩んだ。ここでこうして黙っていることには何の意味もない(当たり前だ)。しかしながら僕は家族を避けていて、かつ頑固な性格のため、今更手術室に向かうのもためらわれた。
僕はしばらく悩んだが、結局のところ最後まで答えは出せなかった。その問題の大部分は家族(養家)への思いである。「偽りの家族」というような固定観念が、僕の頭から離れることはなかったのだ。だから、僕は帰ることを決めた。手術中だろうが関係ないさ。僕がいてもいなくても結果に変わりは生じない。僕は出口へと足を運んだ。
遠くから、さっき転んだ少年の泣き声が聞こえてきた。
そんな彼女の去り行く姿を心配そうに眺めている僕は、一人になることで、自分の目の前にある大きな問題について再認識しなければならなくなった。それはつまり、「僕はなぜ病院にいるのか」。その答えは言うまでもなく、僕の養母が事故にあったからである。表面上はそのことを忘れていたかのように振る舞っていた僕だが、実際は終始そのことで頭がいっぱいだったのだ。もちろん今だってそう。
僕は大きく深呼吸し、これからとるべき行動について考えた。このままの状態でここに止まるか、もしくは今からでも手術室に向かうか。僕は悩んだ。ここでこうして黙っていることには何の意味もない(当たり前だ)。しかしながら僕は家族を避けていて、かつ頑固な性格のため、今更手術室に向かうのもためらわれた。
僕はしばらく悩んだが、結局のところ最後まで答えは出せなかった。その問題の大部分は家族(養家)への思いである。「偽りの家族」というような固定観念が、僕の頭から離れることはなかったのだ。だから、僕は帰ることを決めた。手術中だろうが関係ないさ。僕がいてもいなくても結果に変わりは生じない。僕は出口へと足を運んだ。
遠くから、さっき転んだ少年の泣き声が聞こえてきた。