芸能人に恋をしたⅢ
「彩菜ちゃん、下りないの??」


先にエレベーターを出た、流星さんが不思議そうにあたしを見る。


「あっ、はい。出ます。」


あたしは、慌ててエレベーターから下りた。


流星さんが、カギを差し込んで、扉を開けた。


「彩菜ちゃん、入って。」



「お邪魔します~。」


人の家に入るときは、かなり緊張するんだよね。



だから、挨拶の声が小さくなってしまう。


「彩菜ちゃん、別に誰も居ないから、緊張しなくっても、良いのに。」


そう言って、流星さんは笑った。


流星さん、仕方無いの。これは、小さい頃からで、もう直らないの。


そう心の中で言った。

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