魔王に忠義を
魔王復活の脅威は去った。

だが秘密結社によって破られた封印は再び作り直さなければならない。

各民族随一の魔法の使い手達によって、封印は再び構築される事になるだろう。

そしてまたファイアルの守人によって、このファイアル最南端の封印は守られる事となる。

…また、秘密結社そのものも壊滅した訳ではない。

どこかで虎視眈々と、次の封印の破壊、魔王の復活を狙っているのかもしれない。

それを阻止するのはライストのガーディアンや、火の玉アキラ、アイスラの識者ナーダといった名の知れた軍人、狩猟者、賢人の役目となるに違いない。

俺は。

「…………」

俺はチェーンソーブレードを地面に突き立てた。

そして近くにいたライストの軍人らしき男に声をかける。

「おい…俺は今回の魔王復活を画策した秘密結社の元構成員だ」

「何…?」

俺の言葉に、周囲の兵士達がざわめく。

アイシャやナハト、アキラまでも俺の発言に驚愕した。

黙っていればこのままドサクサに紛れてなかった事に出来たものを。

俺の発言は馬鹿正直なお人好しの発言だったに違いない。

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