魔王に忠義を
俺はブレードのエンジンを止める。

「それは娘の名か…?」

そうか…子供がいるのか…。

俺はブレードを背中の鞘に納め、ドワーフ達に背を向ける。

「俺の目的は貴様らではない…手を出してこないなら心配はいらん…通過するだけだ」

子供がいるから見逃した訳じゃない。

ファイアルとドーラの連中以外の殺しは気分が乗らない。

ただそれだけの話だ。

俺は外套で口元を覆い、静かに死霊の山を後にした。









< 20 / 107 >

この作品をシェア

pagetop