魔王に忠義を
部下の報告に一瞬にして浮き足立つガーディアン達。

…土魔法の使い手だと…?

俺は咄嗟に酒場の裏手から外へと出て。

「!」

周囲に倒れ伏す軍人達の姿に驚愕した。

50人は倒れているだろうか。

そしてその惨状の中、タキシードにシルクハット姿の紳士が姿勢良く立っている事に気づく。

「おや?おやおやおや?」

紳士も俺に気づいて声を上げた。

「ライストの先遣部隊を足止めする為に来てみれば…意外な人と出会うものですね、元Ⅵ番…ヴァン・アルナーク…」

「その声…」

俺に秘密結社の仕事を持ってきたハニワの声に酷似している。

「土魔法の使い手…お前の事か」

「秘密結社Ⅲ番、アイン・レイラスと申します。直接お会いするのは初めてですね、ヴァン・アルナーク」

慇懃な物腰で深々と頭を下げたアインは。

「そして御機嫌よう。役立たずにはここで消えてもらいます」

顔を上げるなり、凶悪な笑みを浮かべた。



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