魔王に忠義を
騒然とする酒場。

「この街の住民にはしばし迷惑をかける事になるが、しばらくの間協力を…む?」

説明をしていた軍人の目が留まる。

視線の先には俺の姿。

「薄青い長髪、黒い外套…」

「昼間にライストで起きた要人暗殺未遂の容疑者と、目撃情報が一致します」

口々にガーディアンが言う。

「そこの貴様!」

スラリと腰に帯びた剣を抜く軍人達。

「息つく暇もないな」

俺は立ち上がり、背中のブレードを抜いた。

「アイシャは下がってろ。強行突破する」

「怪我人も死人も出しちゃ駄目よ!」

彼女は俺の鼻先に人差し指を突きつけ、きつい口調で言う。

全く…簡単に言ってくれる。

精鋭のガーディアンを、傷つけずに突破しろだと?

だがまぁ、やってみるしかないか。

ブレードを構えた俺。

そこへ。

「分隊長殿!」

突然一人の軍人が駆け込んできた。

「秘密結社の構成員と思われる土魔法の使い手が、奇襲を仕掛けてきました!」





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