魔王に忠義を
降り注ぐ火の粉、青々とした草原さえ炎に舐め尽くされて焦げる。
最早ネルスは間合いに踏み込ませる気はないらしい。
圧倒的な火力を以って敵を屠り、上から優越感を以って見下すのが好みのようだ。
いかにも力で物事を解決するファイアル貴族らしい考え方だ。
だが先刻も実践した通り、奴の間合いに入れない訳ではない。
そしてまたあの短鞭で反撃されたとしても、俺には考えがある。
「アイシャ!」
ネルスの放つ炎の波を掻い潜りながら、振り向かず俺は叫ぶ。
その声に反応して、アイシャが風を繰り出す!
彼女の風では、ネルスの放つ炎をかき消す事はできない。
さすがに五つの民族で最大級の攻撃力を誇るファイアルの魔法だ。
アイシャが全力で風をぶつけたとしても、炎はせいぜい一時的にその勢いを弱める程度だろう。
しかし、それで十分だ。
外套で体を覆い、熱気と火の粉から身を守りながら、俺は勢いの弱まった炎の中へと飛び込む!
最早ネルスは間合いに踏み込ませる気はないらしい。
圧倒的な火力を以って敵を屠り、上から優越感を以って見下すのが好みのようだ。
いかにも力で物事を解決するファイアル貴族らしい考え方だ。
だが先刻も実践した通り、奴の間合いに入れない訳ではない。
そしてまたあの短鞭で反撃されたとしても、俺には考えがある。
「アイシャ!」
ネルスの放つ炎の波を掻い潜りながら、振り向かず俺は叫ぶ。
その声に反応して、アイシャが風を繰り出す!
彼女の風では、ネルスの放つ炎をかき消す事はできない。
さすがに五つの民族で最大級の攻撃力を誇るファイアルの魔法だ。
アイシャが全力で風をぶつけたとしても、炎はせいぜい一時的にその勢いを弱める程度だろう。
しかし、それで十分だ。
外套で体を覆い、熱気と火の粉から身を守りながら、俺は勢いの弱まった炎の中へと飛び込む!