かみさまごっこ
私が恋をしているなんてそんな事はありません。

好きではありますがそんなつもりなんて…素敵なお友達として好きなのです。

何故南雲さんはそんな事を言ったのでしょう?

少し気になりつつも、患者さんの元へと向かいました。


丁度仕事を終え、帰ろうとした時でした。昨日出会った女の人とバッタリ会いました。


「昨日も見かけたけど、貴方も命が危険な状態の人がいるの?」

「えー……と、はい」


嘘を吐くのは本当に心苦しい物があります。申し訳なさでいっぱいになりそうです。


「時間空いてる?少しお喋りしよ?たまには息抜きだって必要だから」


言われるが侭に、近くにあった椅子に腰掛けました。

とりあえず名乗った方が宜しいのでしょうか?そうしようと思い、名乗ろうとした時でした。


「別に名乗らなくて良いよ?そんなに深い仲にはなるつもりはないから」


そういう訳にも行かないと思い、再び名乗ろうとした時には既に自分の事を話し始めていました。

だから私はそれを黙って聞く事にしました。その方は驚く事に囚人さんでいらっしゃったようです。

今は心優しい方の協力もあってか、保釈されたとの事です。
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