心 ―ハジマリノウタ―





「その世界は、どんな世界なのですか?」



「皆が笑っていて、

戦って、傷つかなくて済む世界だよ」




そう言ったレイも、優しげに微笑んでいた。


そんな世界があるのか。


そこに、私もいける?


でも、私はそこで、笑えるのだろうか。


何も感じられなくて、心も無いのに。




「ユア、きっとここに居れば分かるよ」



「何をですか?」



「心亡き者でも、嬉しいこと、悲しいこと、

楽しいこと、ムカつくこと、全部!

俺が教えてあげるよ」




そう言って、レイは照れたように

笑って、立ち上がった。


そして、私を振り返って言った。




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