心 ―ハジマリノウタ―
しばらく歩くと、主は道から外れ、
暗く更に狭い路地へと入った。
人々の熱気から離れた肌に、
夜の風は冷たい。
路地の奥のほうに、辛うじて見える明かり。
そのまま迷いなく進む主。
何処へ向かっているのだろう?
何処でもいい。
知る必要など無い。
知りたくも無い。
何処へ行っても、
私は、奴隷なのだから。
入り組んだ道の先に
ぼおっとした光が見えてきた。
それは一つの建物の窓から漏れる明かりだった。
薄ピンクの壁色が何となくくすんで見える。