心 ―ハジマリノウタ―
第十章

Be Strong





《RION》



全てを聞き終えたダイガの表情は全く読めなかった。


僕たちは汽車に乗り、

幸運にもドレイに出くわす事もなく、

南西アジトへ辿りつくことに成功した。


メイを探して以来の南西アジトは、

僕たちが居た中央アジトとは、

また違う構造だった。


南西アジトは、地下にあった。


さすが武器の研究を担当しているだけあって、

何度見ても

地下のアジトは圧巻だった。


螺旋のように壁に連なる階段と、

部屋が、一面に広がり、

中央部分の平らなスペースは、

共有スペースとなって、能力者たちが寛いでいた。


何よりすごいのは、

人の数が一番多い事だった。




「それじゃあ、ついに…

ヤツは尻尾をだしたってわけだな」




ダイガがやっと口を開いた。


考え込んでいた様子から一変して、

その表情は決意を表している。




「ということは、やはり貴方だったんですね。

ネヴァ師匠を通じて私に、

ジグを見張らせていたのは」



ええ、と低い声で頷いたダイガに、

リヴィアは苛立たしげな表情を返した。


それは、ダイガが恐らく自覚していないであろう、

デレデレした表情が理由だ。


さっきから、ダイガはリヴィアを見るたびに、

瞬きを繰り返しているのだ。


それくらい、眩しいらしい。




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