心 ―ハジマリノウタ―



その日から、リオは

あたし達と別行動を取る事になった。


メイは少し寂しげだったが、

任務にも貢献するほどの成長振りだった。


そして、リオは、噂によると

何時もボロボロの傷だらけらしい。


あたしはあれ以来姿を見ていないが、

相当師匠に扱き使われているようだ。


しかし、その師匠、理不尽だが、

とても強いらしい。


リオにぴったりの師匠だろう、と

ダイガが得意になっていたが、

あたしは、あの満足げな表情が

どこか気に入らなかった。


とはいえ、ここへ来てから皆成長していた。


リブも一層自主練習に励んでいるようで

トレーニングウェア姿を

よく見かけるようになった。


そのせいか、動きにキレが生まれ、

腕も上がったようだ。


レイはというと、父親のラインに付いて、

毎日駆け回っている。


ラインの能力はレイと同じ

力を増幅させるガントレットだ。


そのせいか、鍛え方に無駄がなく、

今のところ、一番の成長を見せているのが

レイだった。


あたしはといえば…。


たまにネヴァ師匠に射撃場へ

付き合ってもらうだけで、

鍛錬の方はおざなりだった。


もちろんトレーニングは欠かしはしていないが、

特別増やしているわけでもなかった。


何故なら、あたしには

考える事が山ほどあるから。



< 477 / 534 >

この作品をシェア

pagetop