World of Game

「おい、おーい! 砺波? おきてるか?」


小夜ははっと我に帰った。
作業の途中でボーっとしていたようだ。

「な、何?」


見れば緋翆が小夜の顔を覗き込んでいた。

「大丈夫か?何回も呼んだのに反応しないから…
坂本たちがダンボールをまた調達してきた。
あと、仲原が模造紙とテープを買ってきたから領収書もらってきた。
残りのクラス費がいくらか教えて欲しいってよ」

「あ、うん。分かった…」

「本当に大丈夫か?」


緋翆がずいと寄って小夜を見つめる。
小夜は驚いて身を引いた。
温度が一気に上がったのを確かに感じた。

「ちょ、近っ! だだ大丈夫だから、うん! ほらこの通り!」


力こぶをつくってみせる小夜を見て緋翆は身を起こした。
小夜は未だ心臓が大きな音を立てているのに、緋翆は何も気づいてないことに安堵した。

「そんならいいけどな。お前働きすぎなんじゃないのか?」

「そんなことはないよ。最近帰り遅いからお店手伝ってないし」

本当か? と言いたげな目線で緋翆は小夜を見つめた。


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