*制服のボタン*バレンタインの憂鬱*陵弥
「ばーか。俺ン家まで我慢しろ直ぐだから」
そう言って繋いだ手にギュッと力を込める。
傷付け、傷付いても離せなかった。
俺の傍で俺だけ見てろ…
なんてキザな台詞を言ったりして…
俺、どんだけ凜花にハマってんだか…
親の海外赴任をきっかけに、学校の近くのマンションに1人暮らし。
正月、親が帰国した時凜花を紹介した。
娘の欲しかった母親は、凜花を見るなり大興奮。
親父は、後数十年若かったらな…なんて。
馬鹿だろ。
凜花の家にもよく行く。
特に、凜花のママさんに気に入られたらしい。
1人暮らしの俺に飯を食わせてくれたり。
気さくな親父さんは泊まって行けって。
普通、娘の親父ってさぁ、娘の男がライバルなんじゃねーの…?
まぁ親公認ってのは有難いけどな。
学校の帰りのほとんどは凜花と2人で…
俺がこんなに激甘だったなんて知って、自分でも相当驚いた。